絵の具を塗って湿っているうちに塩を撒くと出る模様。
面白くて好きなのですが、時にまったく模様ができなかったりもして、どうも調整が難しいです。
絵の具の濃度や塩の種類でも変わりますが、 メーカーによっても模様のでやすさ等違います。
特に模様を出しづらい大きめの塩で比べてみました。
PB29 – Ultramarine を6メーカーで比較

色はPB29 – Ultramarine Blue、French Ultramarine 等
塩はJacquard Silk Salt(割と大きめの粒)






それぞれ違う模様になりました。
大きい塩だと塩分で集まった色のほうが目立ちます。
Turner、Bunpodo(HARUZO)、Daniel Smith、W&Nは、塩の粒が大きいタイプなのでチリチリした模様は出にくいかと思っていましたが、思ったよりでてくれました。
HolbeinとQORは大きめの塩だと難しい様子。
QORは塩の置いてあった周辺にわずかにふんわりとして色差ができることはできるみたいです。
好みはTurnerです。
ただ、Turnerは固めるとポロポロするので、パン詰める時にグリセリンとQORのWatercolor Mediumを極少量添加してます。
濃度での変化の比較
模様がぼんやりしかでなかったQORを濃度を変えて試してみました。

下のほうが濃く、右は量も増やしています。
直後のまだ渇ききっていない状態でも、濃度だけでなく、量でも差がでることがわかります。

乾燥すると、濃くて水分量があった時には細胞めいた模様が現れてます。
あまり模様がでそうになかった左下部分は、濡れているうちに塩の周辺に水分を足して、どうなるかを見てみました。

筆先で左側には水を、右には色を足した直後の様子です。
普通に水を足した時とさほど変わらず。

広がったあとが少しチリチリしてるかな?
ついでにTurnerを濃いめで試したもの。

濃くなると模様が出にくくなります。
薄目の色に、今度はミルで挽いた細かい塩をかけたものも見てみます。
ミルは京セラの挽き方を調整のできるタイプを使っています。

同じ調整のままで挽いたにもかかわらず、全然違う模様です。
Turnerがやはり好みです。
PR122での比較
次に、QORとDaniel SmithのPR122で比べてみました。

今回は、QORのほうが模様がよくでています。

塩の置いてあった跡も違いがあります。
QORはくっきりしてます。
メーカーだけでなく色の種類でも違いがでるようです。
ちなみに、DSのほうが濃くなってしまってますが、塗った時は大体一緒の濃度に見えていました。
個性的な模様の出る色
最後に、塩模様の時に面白いなと思っている2色です。

QORのカーボンブラックとDSのソーダライトです。


ソーダライトは薄目でも濃い目に見えるのでコントラストが出やすく塩の粒子の差も出やすい気がします。
QORのカーボンブラックは特にチリチリ模様が出やすく、大きめの粒でも絞りのような模様がでます。
メーカー毎に傾向があると覚えやすいかと期待しましたが、顔料によっても違うようです。
やはり事前の試しが必要な難しい技法だと思いました。
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